トリアーに到着
トリアーにルクセンブルグから３０分ほど、ドイツ国境、そしてドイツでもっとも古い町トリアーに到着した。
17時ごろであったがさすが冬のヨーロッパ。あたりはすっかり暗くなっている。
あらかじめ予約しておいたホテル「レーミッシャーカイザー」までは
駅からポルタニグラまでの道をまっすぐいったところ。・・しかし不慣れな街で、しかもこう、さびしくては・・やや不安になる。徒歩15分から20分
くらいだろうか？？ポルタニグラが見えてきた。トリアーの旧市街への門にもなっている。この街一番の観光ポイントらしいが、この時期、建物のの
中を見学したり、ということはできないらしい。そこから続く旧市街の明かりをバックに黒々とたたずむその姿は、ちょっと怖い感じさえした。ポル
タにグラの前までやってきたので、そろそろホテルを発見できるはず、と思ってしたら、丁度、車道を渡ったところに看板が見えた。横断歩道はなく、
車の往来も激しいので、夫が、横断しようとするのを制して、地下道にもぐる。本当は、それもすこしだけ不安だったが。
トリアーのホテル
受付で、名前をいって部屋に通してもらうバス・トイレ付・朝食込みのツインで１９０DM。窓の見晴らしは悪い。というのは窓の外はなぜか？鉄製の
階段がついているのだ。そして、隣の建物がすぐ目の前。インターネットで部屋をみたときには、窓が大変大きく明るそうだったのだが・・。
（たしかガイドブックにものっていて、そんな感じのコメントがついていたっけ）しかし、どいらにしても、今晩ここで眠ったら明日はすぐ出発して
しまうのだ。あまり問題ではないだろう・・。しかし、この部屋も、もしかしたら、ホテルの人の親切なのかも・・と思わせる出来事が私たちをまっていた。
ごはん
夕食をかねてつかのまのトリアー観光に出かけることにした。旧市街は歩行者天国になっていて、明るい。しかし当然のごとくお店はすべてしまって
おり、テイクアウトのピザ屋が営業してるくらいだ。とにかく、ひとけが少なくてさみしい。がっかりして歩いているとどことはなしに、爆竹がなった。
振り返るとピザ屋のごみ箱から火が上がっている・・・・「え～！！」と驚くがピザ屋の主人らしきひとが平然と？消火している。なんか、なんか、
やばいのでは？？とおびえながら旧市外の中心にある広場あたりに・・ここでも人がすくなく、ひっそりとしている。昼間ならきっといい感じの広場
なのだろうけれど。 ひとまずレストランにはいることに。PUB風のと高級レストランぽい２軒がならんでおり、PUB風の安そうなほうにはいった。何のことはない、同じ店で
中ではつながっている。テーブルの種類が違い。高級、のほうはテーブルクロス、PUBのほうは木のテーブルをおいているカントリー風のインテリア。
しかしBGMは同じ「オアシス」であった。お客さんはPUBのほうに中国人と思われるカップルがいたが、スグにかえってしまった。となりの高級レストラン
のほうにはアメリカ人風の女性がふたりで食事をしていた。ああ、ヨーロッパの年末って寂しいのだなぁ。カウンターではウェイトレスの女性の友達？の
子供が愛嬌をふりまき、店のひとたちが盛りあがっていた。ワインをグラスで注文する。
・Elbling troken
・GrowBargurder
あと、名前がわからないがリースリングの辛口。食事はシンケンとチーズのサラダ、ソーセージと卵料理。広場ではどこからともなく、爆竹がなってお
り。トリアーの印象をわるくさせた。あとでかんがえると、次の日の大晦日の予行演習？を子供たちがやっていたのかもしれない。そしてわりと遅くま
で爆竹の音が絶えなかったので、ホテルはわざと通りに面さない部屋をあてがってくれたのだろう。
次の日１０時１８分の電車にのるため、９時半ごろホテルを後にする。そんなに朝早くないのだが、まだ朝もや・・といったかんじ。ただ朝日にかが
やくポルタにグラは昨夜と様相はかわり、ローマ時代の歴史を物語る、どうどうとした建物だった。大晦日のこの日は日曜日。カーニバルかなにかあ
るらしく、すこし賑わいを予感させるトリアーだった。もうすこし滞在したい思いを胸に駅へ。
ヴィースバーデンへ
２時すぎにヴィースバーデンへ到着。本当はもっと早
く到着予定だったが、私たちののったECがすこし遅れていたらしくマインツでの乗り換えに失敗したのだ。こういうことになるとホームがたくさんあ
る都会の駅はやっかいだ。マインツの駅は改装中で、そのホームの複雑さはヒドイ。乗りかえたくても次の列車がどのホームへくるかわからないのだ。
同じような境遇のドイツ人女性とであう。私の母くらいのその人は、次に乗り換える列車をまっていたが、やはりホームが違っていてのれなかったら
しい。目的地はどうやら同じらしいが・・英語はまったくわからない彼女とどうやってコミュニケーションできたのかわからないのだが、なぜか？私
と彼女が同じトラブルをかかえ、今同じ気持ちということがわかった。「次の電車は４番線って書いてるのに、なんでこないのよー！！！」結局わた
したちは口ぐちに、かってに？叫びながら駅の中をいっしょにはしりまわった。結局彼女が駅員に問いただし、やっと電車にのれたいうわけだ・・。
ヴィースバーデンとマインツは１０分ほどなのに・・。マインツを観光にもどってこようと思ったが、なんだがこの工事中の駅を使いこなすが大変そ
うなので、そんな気持ちも遠のいてしまった。ケルンと並ぶ立派な大聖堂をみる予定だったのだけど。
年末・・ヴィースバーデン
ヴィースバーデンの町は、日曜、しかも年末と
いうことで、ひっそりとしていた。保養地ぽいので、もうすこし賑わいを期待したのだけれど・・。遅いお昼を食べにでかけたが、レストランやカフ
ェすら見つけられない。なんとマクドナルドさえもお休み。やっと一軒のパティスリーをみつけてかるい食事にありついたが・・こんなことでは、な
んと寂しい年越しになることか・・・危機を感じて、観光もそこそこに（といっても商店はすべてしまっているので、・・）レストラン探しに出発！
できれば、ちょっとごちそうが食べられたらいいのだけど。ほとんどのレストランは信じられないことにＣＬＯＳＥＤ！ただ、まだＯＰＥＮしていな
いけれど、年末の特別ディナー、という黒板に記されたワインシュトゥーぺを発見。ここに望みを託すことにして、しばらくホテルに戻ることにする。
寒いし・・。
年越しディナー
７時。レストランにでかける。予約はないのだけど・・というとアラブ系ぽい顔をした店主が「メニューはひとつだけで、年末のスペシ
ャルコースだけど」とテーブルに案内してくれた。ひとり９５ＤＭ。今まで食べた中ではかなり値のはるディナーだ。しかし、ラッキーだったかもし
れない。通りには夕食のためのレストランを探す、若者や観光客が私たち同様、困惑顔でウロウロしていたのだから。ディナーの始まりはゆっくりだった。
だいたいほかのお客さんがそろいはじめたころ、前菜の大きなテリーヌがでてきた。サラダやスープそしてメインディッシュ、デザート。どれ
もすばらしかった。BGMは船長さんのような衣装をつけたおじいちゃん、そして１０代くらいの女の子が交代交代にヤマハのポーターサウンドをひい
ていた。食後にエスプレッソをいただいくころには１１時半になっていた。
ここで問題発生。カードで支払おうと思っていたのだが（戸口のところ
にＶＩＳＡやアメックスＪＣＢのシールがはってあったし）「ＣＡＳＨ ＯＮＬＹ」だというのだ！！「年末だからCASH ONLYだと外に書いてあった
だろう」と言われても・・現金の有り金を全部だしても、あと２千円分くらい？たりない。「外に銀行のATMがある」とか言われて大変こまった。
ATMはたしか、そこから数ブロックはなれているし、こんな時間に別行動も・・それに外では何やらさわがしくなってきている。とっさに財布の中の
キャッシュをみると日本円と米ドルが見えた。日本円はダメだといわれたが「ドルは？」といって２０ドルほどのドルをみせた。今のレートではお店
のほうが得をしそうだったが仕方がない。私たちの給仕をしてくれた店の主人はしぶしぶOKしてくれた。やれやれと思い、席をたとうとしたとき、
ポーターサウンドのおじいちゃんが満面の笑みでやってきて、もう少しいろ、という。まあ、もういっぱい飲んでいけ！と。でもお金がないし・・
（実際、キャッシュはゼロ！）というと「おごるから！」と。「え～でも」と、もめているところへハッピーニューイヤーの合図。ポーターサウン
ドから「ほたるのひかり」が流れて、店の中は大騒ぎとなった。そのあとは、みんな口々におめでとうを言い合って家路へつき始めた。おじいさん
はこのために私たちを引きとめたようだ。「おめでとう。良いお年を」と告げて、私たちもおいとました。
ああ大晦日
さて。わたしたちの「年越し」はまだ終わらない。通りにでると「すごいこと」になっていたのだ。通り中、爆竹だらけ。もう爆竹、なりまくり。時には
ごみ箱にまで投げ込まれていて。もうめちゃくちゃだ。車道も歩道もねずみ花火なんかが「うようよ」あってともすると大変危険だ。ひどいのになると２
階の窓から花火をあげている。よく日本で火をつけてから、ぱーっと逃げて噴出す火の粉をみて楽しむタイプの花火だ。恐ろしいやら、おかしいやらでも
うパニックになりながら、ブロックごとに走る。１区画乗り越えていったん立ち止まると、いちおう火をつけるのを待ってくれる。通り過ぎると後ろで爆
音・・そんな感じだ。でもみんな楽しそうなので、これはドイツ式の新年のお祝いなのだろう。前方から黒い皮のジャンパーをきたちょっとスキンヘッド
ぽい青年たちが「ヤッホー！飲みにいこうぜい！」とばかりにわたしたちののところへきた。言葉はわかったけど「ごめん。言葉、日本語しかしらんねん」
と関西弁でいうと「OK、OK とにかくハッピーニューイヤー」と握手して去っていった。きわどいところだが、、、いい人たちだったことにする。
手持ちの花火をしてる人もたくさんいて、ある子供連れの家族が笑顔で火のついた花火を私に手渡した。日本にもあるゴージャスな線香花火の一種だが、
長い、太い・・でホテルまでずっと燃えていた。周りのひとたちも危ないが、爆竹が鳴るたびにその花火をもって駆け出すわたしがもっとも危ないひとだ
ったかも。。花火・爆竹・そしてあけましておめでとう・・
こうして私たちの２１世紀は始まった。紅白をみてのんびりする、いつもの年越しとはまったくちがう、スリリングな年越しだった。どちらかといえば紅白に
年越しそばのほうが、実は好きだったことがわかったが、忘れられない２０００年大晦日。
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