カイロはパンチがきいていました。すでにアシやツアーが用意されている団体旅行だとそれほどではないと思いますが、個人でいくとなかなかタイヘンでした。
でもだからこそ、強烈な印象を残しました。
私たちを乗せたLHは一路Cairoへ到着した。それまでの整然とした欧州の空港と違い、そこはすでにイスラム圏。近代的であるはずの空港内でさえ、砂色をしているように見える。
まずは２万円を両替。このときにビザをもっていない人はビザである切手のようなものを買う。ビザ代をひいて５５０E£となるが、本当に大丈夫なのか不明。
ぼろぼろの紙幣がたくさん混ざった、まさに札束！を手にしゲートを出た。「タクシー！」「タクシー！」に襲撃に遭う。しかし、バスで行く予定をしていたのでガイドブックによるCTAのエアコン付バスとやら、を探す。どこにあるかさっぱりわからず、タクシーのりばのあるロータリーをどんどん離れたところでウロウロしているとバス乗り場らしいところにある小屋の中にいたおじさんが「タフリールと教えてくれた。
まずお金を崩さねば！と思った。５０E£などだれもおつりをだせるハズがない。
バス停から２０メートルくらい先にあるジュース屋らしきところで何か買おうと思い、夫をバス停に残してお店にいった。水だけで高額紙幣を出すのもなんなので、外国のタバコならわりと高いので「シガロ」と２リットル入りの水を頼んだ。マルボロは冷蔵庫の中から出てきた。とかくエジプトではぼったくられる・・というのをきいていたし、お札にもまったくなれていなかった（数字はアラビア語で書いてある）のでかなり慎重になっていたのだが、、、店の主人は、私が５０E£札しかもっていないことを知ると、ジュースや茶を飲んでいた、店の客達に何やら叫んだ。そうするとその人たちは互いに両替し合って私のおつりができたのだった・・。４５．５E£戻ってきた。これはかなり、まじめにおつりをくれた・・と推測する。
バス乗り場に戻ると、私がなかなか戻ってこないので、夫がかなり心配していた。
バスはなかなか来なかったが「いかにもツーリスト」と思われる人たち（主に欧米系・・なぜか日本人はいない）が「タフリール？？」といいながら集まってきた。
みんななぜか、私たちに尋ねてくるから不思議だ。アメリカ人とは言葉がよく通じる。（普段より・・）
バスがきた！しかし、私の前にいたエジプト人男性が「コノバスはタフリールには行かないよ」といって、バスに乗り込んで行った。それまではちょっとコワソウーな人だなあと思っていたのに・・・。バスの窓からは見知らぬ現地人の人たちの視線が一斉にこちに向けられている・・。既に手を振っているひとも・・教えてくれた男性に手をふると控えめな笑顔が戻ってきた。このときから「最初からムヤミにフレンドリーなひと」と普通の、「フレンドリーなひと」との違いを痛感する日々が始まった！(つづく）
やっと私たちの乗るバスがやってきた。ガイドブックオススメの「エアコン付の快適なバス」なのだが・・。かなり狭くてボロイ。でもこれでやっとホテル行ける！
しかし、2，3分走らないうちにバスは止まった。コーランが聞こえてきたので、お祈りの時間なのだろうか？
小さいおとこのこが乗り込んできてバスの座席に声をかけてまわる。その笑顔は、とってもキュートなのだが、どうもウワサのバクシーシ少年らしい。私がガムをかんでいるのをみて「くれ」というようなそぶりをした。どうしたもんか？と思っていると、他のお客さんが「その人は言葉がわからんから、アカンで」（←想像）といいうようなことを言われ、他のひとのところに行った。運転手が戻ってきて、少年はバスから降りたが、運転手をからかったらしく運転手は少年を追いかけて行った。バスはなかなかでない。
そんなわけでタフリール付近に着いたのはすでに午後7時すぎ。入国より3時間がすぎていた。
カイロに来たのだから、やっぱりピラミッドをみてみたい。と言うわけでなんとかギザへ行く。ギザへいくのには、現地ツアーや自力で行く場合はバスなどが考えられるが、なんとか時間を短縮したいのでタクシーでいくことにした。この際、多少ぼられてもしかたがない。要はいかに、自分の目的を自分の納得いく費用で達成できるか、ということで折り合いをつける。
カイロのタクシーは、カイロのほかの人々がそうであるように、たいがいはとってもフレンドリー。しかし、油断していると、別の場所へも足を運ばねばならなくなる。つまり彼の「フレンドのお土産屋」に寄り道してしまうのだ。ギザへの行きは、なんとか乗り切ったが（実際、「他のところもつれってやろう」とか、「ピラミッドはほかにもあるし」などかなりしつこい勧誘をうけた。）帰りは、すごい「フレンド攻勢」がまっていた。ギザの帰りにはオールドカイロへ行ってみたいなあ、と考えていたし、お土産屋さんなんて寄られたら時間がなくなってしまう。そこで私は「オールドカイロまで１５ポンドっていってたけど、もしダイレクトにいってくれたら２０ポンドはらってもいい」（注：額はうろ覚え）と言った。それでも、「まぁまぁ」って感じでお店によりそうな気配がした。夫が「今夜の便でカイロをたつので、ほんとに時間がない。」と付け加えた。オールドカイロまでの道のりにホントにフレンドがまちかまえていたようで、ある土産屋の前で車は一旦とまった。店の前に、おじさんがおり、運転手になにやら話しかけた。運転手はそのお店によるのを断っていたらしく、おじさんは「え〜」って感じだったが、運転手はなにかを彼に渡し（たぶん小額紙幣だと思う）タクシーはすぐに走り出した。ほどなくオールドカイロに到着した。「ありがとう。あなたはカイロのベストタクシードライバーだ」といってチップと料金を払ってわかれた。・・とこんなふうに、タクシーにのるのもタフである。しかし、なかなか、その駆け引きがスリリングである。でも、夫が一緒だから多少安心して、タクシーにものれるけれど、女性どうしだったら、それも難しいかもなあ、と思った。
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今回いちばん苦労したのが、「道路の横断」。なんか笑われそうだけれど・・。カイロの車の往来の激しさといったら・・すごい。それに信号なんて全く守られないのだ。人も車も信号なんてないようなもの。それでも地元のひとたちは、ドンドン渡る。車もあまりスピードをおとささない。だってとまろうものなら、永遠にひとの往来や渋滞から抜け出せなさそうだもの。
とくにタフリール広場の周辺の太い道路を横断するのは、なれない私にとっては命がけだ。なぜこんなに交通の要所なのに（地下鉄なども集中している）信号がないの・・もうなきそうになりながら、現地の人がスタートするタイミングを見計らい、いちにのさん、で渡る。でも不思議なことにコツがすこしずつわかってきた。車がすこしとぎれたとき（といってもめったにない）にやってくる車にしっかり目を合わせておちついて、しかもさっさと渡ればいい。うまく、車のほうでよけてくれる。カイロでは不思議なことに、あんまり交通事故はみかけなかった（日本でだったら、あおの環境では、まずそんなことはかんがえられない。）カイロのひとの運転技術はすごい。
